『中小企業におけるASP活用法』』
企業のIT化は時代の趨勢だが、中小企業にとっては自社専用のアプリケーション開発ソフトは高価で装備しにくい。 それに比べてパッケージされたASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)ソフトは安価で手軽であり管理部門別に選択できるメリットもあり、 多くの企業が作成、販売している。
ASPソフトの導入・活用はカスタマイズの程度とその後の運用のし易さに留意すべきである。
*経営課題
経営的な課題としては
A社 ・広域にも有効な広告宣伝方法
・顧客管理と顧客との相互連絡網の樹立
・社内4事業部間の連絡網確立と情報共有化
・財務管理の効率化
などが挙げられ、以上の課題解決として検討の結果、次のASPソフトを共同で選んだ。
.ホームページ作成・社内LANソフト
.大量メール通信ソフト
.財務管理ソフト
B社:HPの更新、維持、メールによる問い合わせへの迅速なレスポンス・情報伝達などで、その効果は大いに違ってくるのでその辺が今後の課題である。 将来の総合的な管理のIT化にもASPソフトは廉価な維持費で済むものの、従来の自社のシステムとのカスタマイズの程度とその費用の検討及び、 社員のITの運用・維持技術の早期習得が課題と考えられる。 さらに次期の課題として顧客管理と「大量メール配信網」確立及び、会計管理のIT化等が残っている。
HPに関しては、各プロバイダーが最近は無料で50〜100MB程度の容量を提供しているため、 今回の「IT基本パック」のHP用50MBは初期段階では良いが、商業用にカタログで多くの画像を入れるにはやや不足ぎみである。 さらに自身で維持・更新ができる場合は、容量に余裕のあるものへの乗換えが必要になると思われる。 またメールによる簡易経営支援も検討しているが、配信もパックの50MBでは数十通の場合はよいが、 100通以上になると別の大量配信ソフトを選ぶ必要があることが判った。 また、財務分析ソフトなどもASPとしてあるが、更新のあまり必要で無いソフトについては安くつく「買取」か、 毎月継続して費用が発生する「ASP」をとるかの「費用と効果」の比較検討も今後の課題となった。
C商店街の活性化には、地域住民に愛されるのはもちろんのこと、 かなり遠方からも来街してもらえるような魅力付けが必要であり、当商店街も今までも工夫をかさねてきた。今後の商店街を取り巻く経営課題としては
・大型スーパー店やモール街との競合
・モータリゼーションによる購買様式の変化
などへの対応があげられる。それらの課題が
・IT化でどこまで解決できるのか
・商店街としてHPでの吸引力はどの程度まであるのか
・HPは従来のチラシなどの広告・宣伝媒体を凌駕しえるのか
・商店街のHPと携帯電話とのリンクの広告は今後有効かどうか
・リアルタイムでの広告はどの媒体、どの業種が有利なのか
など検討すべき課題は山ほどある。
<ASPの効果・問題点>
効 果(長 所)
ASPソフトは比較的に利用料が安く、中小企業が採用しやすい
各分野のソフトがあり、企業が随時に必要な分野のソフトを選べ、導入できる
HPとメール配信のパッケージソフトは採用されやすい
問題(短所)
継続使用が長くなると、買取ソフトとの費用比較が逆転し、かえって高くなる。
カスタマイズは高くつく。
各分野でバラバラのソフトを導入すると、整合性や将来のシステム統合が面倒になる。
入力がわずらわしいソフトは敬遠される。
*ASP導入時の留意点
@サービスメニュー、カスタマイズの可否の確認
A複数のASP利用の場合、データ連携が可能か
Bネットワークのセキュリティの確認
Cサーバー能力、アクセス回線能力などの確認
Dサービス継続性におけるリスク管理、ヘルプ体制の確認
E操作マニュアルの完備と導入指導の徹底度
のシステムの分析・評価が行われた後、個別アプリケーションプ開発か、 ERP(基幹業務統合パッケージ)か、またはASP利用かなどを総合的に判断してから導入されるべきものである。
<ASP導入時の留意点>
導入時の留意点 今回の例
サービスメニュー、カスタマイズの可否の確認 部分カスタマイズでも高くついた
複数のASP利用の場合、データ連携が検討されているか ほとんどされていない
ネットワークのセキュリテイの確認 自社のみでの導入は高価なものにつく
サーバー能力、アクセス回線能力などの確認 中小ASP会社だと不安である
サービス継続性におけるリスク管理・ヘルプ体制の確認 同上
操作マニュアルの完備と導入指導の徹底 不充分なASP会社もあり苦労した
ASPは中小企業にとっては有用であり、適切なソフトが広く望まれていることが判ったので、 今後とも各社及び業界の研究・開発しだいで、ASPの将来には大きな展望と可能性が開けると信じている。
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